犬猫のフィラリア症は母子感染の可能性はある?

結論から申しますと、お母さんのお腹の中にいる段階での赤ちゃんへの感染はありません。胎盤を通じて赤ちゃんへフィラリアが移るということはないので安心してください。ただし、出産後は別です。もし母体がフィラリアに感染していた場合、そのお母さんの血を吸ったことでミクロフィラリアを取り込んだ蚊が、次に赤ちゃんの血を吸った場合には、赤ちゃんのフィラリアに感染してしまう恐れがあります。

母体を守るため、妊娠中も予防は必要です

お母さんの体をフィラリアから守るために、妊娠期間中もフィラリア予防をきちんとすることが重要になります。え?妊娠中も薬を飲ませて大丈夫なの?と心配されるお気持ちは良く分かります。なので、国内で販売されているフィラリア予防薬の中でも、その名前をよく知られているカルドメック(成分名イベルメクチン)、モクシデック(成分名モキシデクチン)、ミルベマイシン(成分名ミルベマイシン)、レボリューション(成分名セラメクチン)に関してお話させていただきますね。

上記に挙げたこれらの予防薬を販売している製薬会社のHPを覗くと、妊娠中の投与も可能だとする文面を見つけることが出来ます。子犬や妊娠中、授乳中の犬たちにも安心・安全な薬であると記されています。

代表的予防薬「カルドメック」

カルドメックはチュアブルタイプと錠剤タイプの2種類が販売されていますが、その錠剤タイプの説明書きに、妊娠中の犬にも投与可能であると記載されています。ただ、コリー系の犬種に対して神経症状を引き起こす副作用が報告されていますが、これはコリー系の犬種が、脳に薬物が入り込まないようにせき止める役割をする血液脳関門という機能の働きが他の犬種と比べて弱く、イベルメクチンの影響を受けやすいとされているためです。ですが、通常のフィラリア予防で使用される容量では、この副作用の起きる範囲内ではないとされていますので安心して飲ませてあげて下さい。どうしても不安なようでしたら、次に挙げるモキシデックを使用するのがいいと思います。

安全性の高い「モクシデック」

モクシデックはすでに体内にフィラリアの成虫がいる犬にも安全性が高いと言われている薬です。これは、体内で生まれたミクロフィラリアを殺さず、蚊から移されるミクロフィラリアのみを駆除するという薬の性質によるもので、万が一、体内の幼虫が一気に死亡しても、毛細血管を塞いでしまうことがないからだと言われています。そのため、副作用が懸念される犬に対しても処方できる薬として知られています。

万能タイプの「ミルベマイシン」

ミルベマイシンはフィラリアの予防の他、犬回虫及び犬鉤虫の駆除、犬鞭虫の駆除にも効果のある薬です。お腹の中の寄生中も一緒に駆除したい時に有効な予防薬です。
レボリューションは他が錠剤タイプである中、唯一の速乾性のある滴下式の予防薬です。薬の成分は皮膚から速やかに吸収され、2時間後にシャンプーをしてもその効果は失われないとされています。販売元であるファイザーさんのHPにある商品説明には、「生後6週齢の子犬、妊娠・授乳中の犬・フィラリア寄生犬・イベルメクチン感受性コリー犬などの各種試験で安全性が確認されており、主成分のセラメクチンは単独で犬のフィラリアの寄生予防、ノミ成虫の駆除及び寄生防止、ミミヒゼンダニの駆除に効果を発揮するとされている」と示されています。

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