自分の愛犬がもしすでにフィラリアに感染してしまっていたら?考えたくはないですが、そういうことがもしかしたら、あるかもしれません。
予防薬の飲み忘れでも感染の可能性があります
飲ませたと思っていた予防薬をこっそり影で吐き出されてしまっていてきちんと飲めていなかったとか、全部飲ませたと思っていた予防薬が袋にまだ1錠残っているのを翌年に発見したとか、ありえないケースではないと思います。
では、本当にそうなってしまった場合、どうしたらいいのか。必要になってくるのは予防ではなく治療です。今回は治療法の一つ、フィラリアの自然治癒についてお話ししたいと思います。
フィラリアは免疫力での自然治癒は出来ません
自然治癒とは、人間・動物などが生まれながらに持っている、ケガや病気を治す力・機能を広くまとめて指す表現です。手術を施したり、人工的な薬物を投与したりしなくても治る機能のことを言い、自己治癒力とも呼ばれます。
正直、フィラリア症をこの自己治癒力だけで治せるかと言われれば、それは難しいことだと思います。
フィラリアの治療は基本、動物病院で行います。その方法は様々で、中には外科手術を行い、フィラリアの成虫を寄生部位から取り出すという方法もあります。ですが、実際にその手術を受けている犬がいるかと聞かれると、今は滅多にいないとお答えすることになるでしょう。
寄生中のフィラリア寿命を待つ方法
今、多くの病院で選択されている治療法は、ステロイドなどのショック症状を和らげる薬を併用しながら予防薬を飲ませることで、新たなフィラリアの寄生を阻止し、現在寄生しているフィラリアの寿命を待つという方法です。この治療方法では、年間を通して予防薬を飲ませることになりますが、犬の体に負担をかけることなく治療が行えるというメリットがあります。ですが、もちろんデメリットも存在します。
体の中にフィラリアの成虫がいるという事実は変えられませんので、そのせいで臓器に弊害を及ぼすことがあるという点。また、フィラリアの成虫の寿命は5~6年と言われていますが、ぴったりその期間で死んでしまうかと言われると、そうでない可能性もありますので、実際にはどのくらいの期間ですべてのフィラリアが死滅するのか分からないという点です。それに最近は「ボルバキア菌」などというものの存在も確認出来るようになったと聞きます。
近年増えているボルバキア菌について
「ボルバキア菌」は私が動物病院に現役で勤めていた頃には聞いたことがない名前でした。ですが、最近ではこの菌が犬糸状虫と関係しているのだとする文献が見られるようになっています。私の知識ではこの菌について記述することが難しいので、兵庫県にある南が丘動物病院さんのHPに記載されていたコラム「ボルバキア菌とフィラリア症」の内容をお借りして、お話していきたいと思います。
ボルバキア菌はグラム陰性細菌で、犬糸状虫を含む糸状虫に感染し、犬や猫で炎症を誘発していると言われ、治療においてボルバキア菌に対する抗菌薬治療が有用であるという知見が出ているそうです。ボルバキア菌に有効なテトラサイクリン、ドクシサイクリン、リファンピン、アジスロマイシンによる抗菌剤治療により宿主のミクロフィラリアが減少し、幼虫の成長が抑制され、メスの成虫の生殖能力が失われることが分かっているそうです。
ですので、すでにフィラリアに寄生されてしまっている子の治療にはショック止めの薬、新たな感染を防ぐための予防薬、バルボキア菌に有効な抗菌剤、この3点セットが必要不可欠になっていると考えられます。
手術等の積極的な治療から見れば時間のかかる、消極的な方法かもしれませんが、こういう治療方法もあるのだと頭の片隅にでも覚えておいていただければ幸いです。
《価格比較表》 | 他店価格 | ご案内価格 | 1箱:3本 | 4,500円~ | 2,343円~ |
2箱:6本 | 9,000円~ | 4,231円~ |
3箱:9本 | 13,500円~ | 5,891円~ |
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